世界の民主主義国家ランキングー独裁国家は52ヵ国

世界の民主主義国家ランキングー独裁国家は52ヵ国

「The Economist」(エコノミスト)は世界的に有名なイギリスの国際経済誌ですが、その調査部門であるEIU”Economist Intelligence Unit”(エコノミスト・インテリジェンス・ユニット)は世界の政治や経済を分析います。

EIUでは民主主義指数というものを世界167の国と地域を対象に調査し、発表しています。各国の政治における民主主義レベルを「選挙手続と多元主義」「政府の機能」「政治への参加」「政治文化」「市民の自由」という5つの項目から評価した指数です。

この記事では世界の民主主義ランキングのTOP10とTOP10を掲載し、そして日本の評価についても解説していきます。

世界の民主主義国家ランキング

世界の民主主義国家ランキングTOP10

(順位/スコア/国名)

1位 9.87 ノルウェー
2位 9.85 アイスランド
3位 9.39 スウェーデン
4位 9.26 ニュージーランド
5位 9.22 デンマーク
6位 9.15 アイルランド
〃     カナダ
8位 9.09 オーストラリア
9位 9.03 フィンランド
〃     スイス



23位 7.88 日本

世界の民主主義国家ランキングBOTTOM10

(順位/スコア/国名)

158位 1.95 ウズベキスタン
159位 1.93 サウジアラビア
〃       タジキスタン
161位 1.81 赤道ギニア
162位 1.72 トルクメニスタン
163位 1.61 コンゴ民主共和国
164位 1.52 中央アフリカ
165位 1.59 チャド
166位 1.43 シリア
167位 1.08 北朝鮮

民主主義レベルに応じた4つのカテゴリー

EIUの調査では民主主義レベルに応じて以下の4つのカテゴリーに分けられます。

・完全な民主主義
・欠陥のある民主主義
・混合政治体制
・独裁国家体制

独裁国家は52の国と地域

独裁国家の世界地図

(出典:EUI Democracy Index

上の世界地図で赤やオレンジで色付けされているところはEUIの調査で「独裁政治体制」とされている国と地域で、世界に52ヵ国存在します。

北米・南米・ヨーロッパには少ないのですが、アフリカやアジアで多いことが分かります。そして、独裁政治体制の国と地域の人口は約25憶人ですので、世界人口の約1/3が暮らしているという計算になります。

これらの国や地域では、日本であれば法改正や国民投票が必要な事案でも、国のトップが絶大な権力を行使することによって国の判断を決めることができます。

スワジランド

アフリカ大陸の南にある国ですが、2018年4月に国名を「スワジランド」から「エスワティニ」へ変更するということが、国王のムスワティニ3世から発表されました。この国は立憲君主制であるため、国王が絶対的な権力を持っています。つまり、国王が独裁者です。

この国では「リード・ダンス」と呼ばれる国王へ捧げるダンスが有名で、恒例行事となっています。未婚の女性が集まって、国王の前で数万人の女性が上半身裸でダンスを披露します。その中で国王が気に入った女性を妻にするというものです。

国王の妻はすでに10名以上いますが、こういった行事が恒例化され、国王の妻の数も増えています。

カンボジア

混合政治体制から独裁政治体制になったと判断された国です。つまり、民主化と逆の方向にいき、独裁国家になっていると判断された国です。

カンボジアは前回の調査では112位だったのですが、今回の調査では124位とランキングを落としています。

1970~80年代はポル・ポト政権が国民を虐殺が続き、内戦が続いていた国です。1990年代には日本の自衛隊が派遣されるなどして、平和になり、民主的な選挙が行われるようになりました。

この民主的な選挙により新しい首相(フン・セン首相)が誕生しましたが、その後、首相が変わることなく、現在でも25年以上実権を握り続けています。

その間、野党が解体させられたり、政府に反対する新聞社が解散させられたりしていて、自由な発言が出来なくなっているという現状があります。

日本は「欠陥のある民主主義」

完全な民主主義の世界地図

上の図では「完全な民主主義」にカテゴリーされているのは国と地域ですが、世界で19ヵ国です。日本は23位ですので、その中に日本は入っていません。

「完全な民主主義」の国と地域の人口は世界のわずか4.5%程度。

調査が始まった2006年では「完全な民主主義」とされていたのは28か国で日本もこの中に入っていました。調査方法の変更などもあり、徐々に減ってきています。

EIUの調査結果では日本は「完全な民主主義」ではなく、その次のレベルの「欠陥のある民主主義」国家だという結果でした。

日本が評価を下げている大きな理由は、選挙の投票率が他の民主主義国家に比べて非常に低いという点です。「完全な民主主義」となっている国の投票率は投票率が80%を超えていますが、日本では50%台ということも珍しくはありません。

さらに、女性の政治家の数が少なすぎるという点も評価を落とす原因です。韓国は日本よりも順位が上ですが、女性の大統領(朴槿恵〔パククネ〕元大統領)も誕生しています。一方、日本では女性の首相は過去に存在していません。

「完全な民主主義」とされた国では女性議員や女性の首相・大統領も活躍していて、イギリスのメイ首相、ドイツのメルケル首相はそれぞれ女性です。

残念ながら19位以内に入れず「完全な民主主義」にギリギリ入れなかった国と地域は次のとおりです。

(順位/スコア/国名)
20位 8.00 韓国
21位 7.98 アメリカ
〃     イタリア
23位 7.88 日本
〃     カーボヴェルデ
〃     コスタリカ

まとめ

この調査はイギリスのシンクタンクEIU”Economist Intelligence Unit”(エコノミスト・インテリジェンス・ユニット)が発表していますが、あくまで欧米の価値観で指標をつくられています。

民主主義の指数が高いからといって、その国の良し悪しの判断になると個人的には思っていません。世界で幸福度が高いと言われるブータンでもこのランキングでは99位です。

そして、この調査では日本は女性の社会的リーダーがいないということがマイナス要素となっていますが、日本の女性がリーダーになりたいかどうかは別問題です。

現状の日本を考えると、女性のリーダーは望まれるけれども、自らやりたいという人は少ないのではないかと考えています。女性の社会的な発言権の強さを示す指標ですが、女性のリーダーがいないだけで判断するのは少し疑問に思います。

ただし、民主主義とは何かと考えた時に、選挙の投票率が低く評価が下がっているという点には、納得できますし、日本もここを伸ばさないといけません。

100年以上前に生きた人たちは、数えきれないほどの血を流して自由を勝ち取りました。それで、選挙が生まれたにもかかわらず、私たちの国では選挙に行かない人が多い。それは、自由を放棄している行為と何ら変わらないように感じます。

今回は世界の民主主義ランキングを掲載してみましたが、民主主義とは何かを少し考えるきっかけになってくれれば幸いです。

参照:Democracy Index 2017