英誌エコノミストの調査部門である”Economist Intelligence Unit(エコノミスト・インテリジェンス・ユニット、EIU)”が独自の調査に基づき、2018年版の「最も住みやすい都市」ランキングを発表しました。
オーストリアのウイーンがヨーロッパの都市として初めて1位となりました。また、7年連続でこの調査で1位だったオーストラリアのメルボルンは2位という結果に終わっています。
概要
今年、注目された都市はマンチェスター。マンチェスターはヨーロッパの都市の中で最も大幅に改善が見られ、前年より16位も上昇して35位となりました。マンチェスターはロンドンよりも順位が13位上となり、この調査開始以来、最も大きな順位差となりました。
マンチェスターがこれほど躍進できたのは、”治安”が改善したことだとエコノミストは分析しています。昨年、マンチェスターで22名の死亡者を出した自爆テロがあったことで、同市がランクを下げたことに対し、この調査自体に批判がありました。
今年の調査では、以前テロの脅威に脅かされていたマンチェスターの社会的安定性が回復していたと、調査編集者のロクサナ・スラブチェバ氏は語っています。また、彼女はヨーロッパ西側の国々の安全面が改善し、ウイーンがトップとなったのは、ヨーロッパ全体の社会的安定性が回復していることが反映していると語っています。
この調査によれば、ここ一年で半分近くの都市の住みやすさが改善されたとようです。
7年連続1位だったメルボルンは今年は2位。オーストラリアからはメルボルンに加え、シドニー、アデレードもトップ10入りを果たしています。
一方で、戦争で荒廃してしまったシリアのダマスカスが「最も住みにくい都市」で1位となり、バングラデシュのダッカ、ナイジェリアのラゴスがそれに続いています。
犯罪、市民の社会不安、テロリストもしくは戦争が「最も住みにくい都市」10位にランクインしているそれぞれの都市に強く影響しているとエコノミストは述べています。
「最も住みやすい世界の都市」ランキングとは?
政治的・社会的安定性、犯罪、教育、健康医療の利用のしやすさなどの項目を評価し、140の都市を対象にランク付けされています。”Economist Intelligence Unit(エコノミスト・インテリジェンス・ユニット、EIU)”が独自の調査に基づき発表しています。
同じくイギリスの「MONOCLE」という情報誌も同様の調査を行っていて、こちらのランキングでは東京が1位になるなど、順位が異なっています。これは評価基準が違うためです。EIUの場合はどちらかというと経済を軸に、MONOCLEは生活を軸に置かれた評価をされていることが主な違いです。
「最も住みやすい世界の都市」(2018)
1位:ウイーン(オーストリア)
2位:メルボルン(オーストラリア)
3位:大阪(日本)
4位:カルガリー(カナダ)
5位:シドニー(オーストラリア)
6位:バンクーバー(カナダ)
7位:東京(日本)
8位:トロント(カナダ)
9位:コペンハーゲン(デンマーク)
10位:アデレード(オーストラリア)
「最も住みにくい世界の都市」(2018)
1位:ダマスカス(シリア)
2位:ダッカ(バングラデシュ)
3位:ラゴス(ナイジェリア)
4位:カラチ(パキスタン)
5位:ポートモレスビー(パプアニューギニア)
6位:ハラレ(ジンバブエ)
7位:トリポリ(リビア)
8位:ドゥアラ(カメルーン)
9位:アルジェ(アルジェリア)
10位:ダカール(セネガル)
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