中国を一つで表すことができるキーワード。それは『ケタ違い』。歴史から見てもわかる通り中国は4,000年の歴史とそれだけでもケタ違いな数字です。
最近、世界の人と話すために日本の歴史も知ろうと「古事記」を読みたいなと思い、竹田恒泰さんの書いた「現代語 古事記」を読んでいますが、日本はたかだか2,000年とか2,500年とか言われています(それでもも世界的にみればすごい歴史です)。しかし、歴史から見ても中国の規模にはかないません。
日本でも中国に関するニュースを見ることが多くなりました。ほんの20年前のイメージでは自転車が多い国という印象しかありませんでしたが、今の中国はご存知の通り、経済でも世界2位と発展を遂げています。
中国は貧富の差も激しいです。実際に、福建省の厦門(アモイ)から100キロほど離れた山間部の町に2日間ホームステイをしたことがあります。
知人の中国の方から現地で日本語を教えている教師を紹介され、会社の長期休暇を利用して行きましたが、「カナダ人、韓国人、オーストラリア人は来たことがあるけれど、日本人が来たのは初めてだ」と言われるほどまったく日本人には知られていない土地です。
その教師の方が言うには「北京や上海みたいな大都会は発展しているけど、ここみたいな地方は発展途上国ですよ」と語っていました。
しかし、そういった農村部にも変化が出てきているようです。では、今の中国では何が起きているのでしょうか?今回は発展を遂げる中国について記載していきたいと思います。
『ケタ違い』の人口
中国の人口は世界一です。その数は約14億人。ちなみに2位はインドの約13億人、3位はアメリカの約3億人です。インドも凄い数ですね。しかし、中国の人口については全体を把握しきれておらず、もっと多いのではとも言われています。
過去に実施された「一人っ子政策」。二人目や三人目の子供が生まれたとしたら、ペナルティを受けることになります。農村部では人手不足を解消するために二人目、三人目が必要となり一人っ子政策をしている間にも一人っ子ではない家庭も多く、そういった子供たちは戸籍に登録されていない子供が多かったようです。
中国の人口は14億人とされていますが、戸籍上に登録されている人数です。つまり、実態を把握できていない人口も含めると、14億人以上の人が存在していると言われています。
今や自動車大国
人口が多く、経済も発展してきた中国。自動車保有台数はアメリカ(2億6419万台)に次ぐ第2位(1億6284万台)です。ちなみに日本は3位(7740万台)。
車が多いと問題になるのが渋滞ですが、その対策として取られてのが「片側50車線」。日本では考えられない対策ですね。しかしながら、両料金所付近ではやはり大渋滞するようです。
大型連休の人の流れが半端じゃない
中国の大型連休と言えば、春節(しゅんせつ)や国慶節(こっけいせつ)。日本にはこの間に中国人観光客が多くやってきて少し前は「爆買い」ということがよくニュースで取り上げられていました。
中国国内でも民族大移動という現象が起きていて、連休中に国内外へ出かける人が7億人を超えています。その数は半端のない数ですが、駅という駅が混みあいます。
実際に中国の駅は田舎であってもとてつもなく広い作りになっています。冒頭、記載したように中国の田舎のほうに行ったことがありますが、そんな田舎でも東京や品川、新大阪くらいの規模の駅の広さです。
私が中国にいった時期は春節や国慶節の大型連休ではなかったため、駅は大きい割には人が少なかったという印象がありました。しかし、厦門(アモイ)の空港付近の駅はそれでも人がとても多かったですね。
これが、大型連休となるとどれだけ混むのか想像できません。
●CNNが春節の様子を報道している動画
『ケタ違い』のお金の動き
11月11日は中国で独身の日と言わていて、大手インターネット通販サイト「アリババ」では毎年大規模セールを展開しています。上海で行われるイベントには海外の大物女優や歌手もやってきました。
その売り上げが毎年、世界で注目を集めていて、2017年に売り上げた金額はなんと1683億元(約2.8兆円)。
小さい規模の国家予算なみの金額をたったの一日で達成しています。
●ANNのアリババの取引総額のニュース
ちなみにこの「アリババ」という会社の設立間もないころ、ソフトバンクの孫正義社長が現アリババ会長の馬雲(ジャック・マー)氏と面会し5分で約20億円の投資を行い、現在では何千倍もの株の含み益を出しているのは有名な話。
凄い人には凄い人が集まるなと思いながらも、元金融マンの視点から言えば、その裏で失敗していることも多かったのではないかと思います。
ハイリスク・ハイリターンな投資に成功したところが取り上げられていて、やっぱ孫さん凄いみたいな感じになっていますが、それよりも投資の話を聞いて即決したその孫さんの判断力と決断力のスピードこそが彼の才能だと思います。
もちろん、この投資の判断をする以前に孫さんの経験や、ソフトバンクの社員の努力、ジャック・マーさんの人柄など、色んな条件のもとでこの話があることは忘れてはいけません。
社員をやる気アップさせる方法が『ケタ違い』
最近、中国では社員のやる気アップのため、大規模社員旅行がトレンドになりつつあります。
社員約2500人のために一度に飛行機20機をチャーターしてスペイン行き、バス70台をチャーターし、ホテル1650室を貸し切ったということも。
また、別の会社では6400人の社員たちが一同となってフランスの有名な観光地ニースとパリを2日ずつ観光し、その金額が40億円を超えたということも話題となりました。
日本でも爆買いが一時期話題になりましたが、個人の旅行ではなく会社の旅行です。中国の景気が落ち着きつつあるということですが、まだまだ中国経済は元気なようです。
詐欺も『ケタ違い』
詐欺を行うために銀行まで作ったというありえない話も実際に事件として起こっています。銀行員もエリートビジネスマンのような印象を持たせる人物を用意し、高金利を売りにだまし取った金額は38億円。
他には中国の渋滞事情を緩和するために開発を始めた「巴鉄1号(TEB-1)」という空中バス。世界的に注目を集め、アメリカの雑誌にも素晴らしい発明だと掲載されたこともあります。
しかし、この開発、資金を集めた会社の代表が国外逃亡したり工事をしている実態がないなど中国では投資家から資金をあつめるための詐欺だったのではないかと言われています。
戸籍格差が広がる中国の戸籍事情
人口が多い中国だと国民の管理が大変ですが、戸籍の事情には驚かされます。
まず、中国には農村戸籍と都市戸籍が存在します。農村に生まれた場合、戸籍は一生農村戸籍のままで、都市に住所を移すことができません。一方、都市戸籍にうまれればその人は生涯にわたって都市戸籍を与えられます。
1950年代に都市部への食料安定供給と社会保障を充実させるために作った制度ですが、農村戸籍の人口の方が圧倒的に多いのも特徴です。
農村戸籍の場合は農地が与えられ農地を使う権利が与えられます。ちなみに中国では土地は個人所有するものではなく、国が所有するものです。なので、国から土地を与えられるという表現が適切ですね。
都市戸籍の場合は年金などの社会保障が充実していますが、農村戸籍にはありません。しかし、年金がないことが問題視され最近では農村戸籍でも年金に加入することができるようになりましたが、基本的には農村戸籍であれば自給自足の生活です。
戸籍には色んな問題もあるため、最近では2020年までには戸籍を統一する動きも見られます。
どういった問題があるか?
例えば、農村戸籍の人が家族を連れて都市へ出稼ぎにいくとします。子供が義務教育を受けるためにはその土地で教育を受けなければいけません。つまり、子供が農村へ帰らなければ義務教育さえも受けることができません。
農村戸籍の人と都市戸籍の人が結婚した場合は農村戸籍になる場合が多い。なぜなら、都市戸籍を求めて偽装結婚をする人が増えると、社会保障が充実した都市戸籍の人口が多くなってしまいます。それを防ぐために、農村戸籍になるよう、国が管理しているようです。
加熱する大学受験
都市の大学に合格することで条件つきですが都市戸籍を得ることができます。農村戸籍の若い人が必死になって都市戸籍を得ようとしています。
中国の大学受験は一生がかかった試験ですので、死に物狂いで勉強するわけです。そのため、中国の受験戦争は都市戸籍をめぐった賄賂や不正などの社会問題へと発展することもあります。
この大学受験ですら都市戸籍の人が有利な状況です。都市にある大学の定員は初めから都市戸籍の人を多くとるようになっています。100ある席を争うために都市戸籍は70で農村戸籍は30みたいな感じです。
そもそも、少ない枠を都市戸籍より多い農村戸籍の若い人たちが争っているという現状があります。
実は多民族国家
中国は56の民族がいる多民族国家であるため、様々な文化を持っているという側面も持ち合わせた国です。少数民族も多くいて、例えば、ヨーロッパ人のような顔つきをしている民族や中東のような顔つきをしている民族も存在しています。
少数民族の多くは聞いたこともあると思いますが「自治区」というところに住んでいます。中国には5つの自治区があり、「新疆(しんきょう)ウイグル自治区」、「チベット自治区」「内蒙古(うちもんごる)自治区」、「寧夏回族(ねいかかいぞく)自治区」、「広西(こうせい)チワン族自治区」があります。大体の位置は次のとおりです。
●新疆(しんきょう)ウイグル自治区
●チベット自治区
●内蒙古(うちもんごる)自治区
●寧夏回族(ねいかかいぞく)自治区
●広西(こうせい)チワン族自治区
それぞれの伝統や文化を尊重して、自治区内では日常の風習など自分たちで決める権利も持っています。これらの民族は中国から独立したいと思っていますが、中国政府はそれを断固として許しません。
自治区を手放したくない理由
中国人のほとんどが漢民族で構成されていますが、少数民族が占めている自治区を手放したくない理由があります。
まずは、緩衝地帯としての機能です。
自治区の地理を見て見るとよくわかるのですが、自治区のほとんど国境に面しています。そう、戦争が起きた場合の緩衝地帯としての機能があるわけです。要するに対立する国家間の緊張を和らげる効果があるということです。
内蒙古(うちもんごる)自治区は歴史から見ればもともとはモンゴルの一部だったのですが、東西冷戦時代にモンゴルはソ連の味方でした。ソ連との関係が悪化した場合のことを想定して、中国政府はモンゴルとの間に自治区を作りました。それが、内蒙古(うちもんごる)自治区です。
また、中国とインドは過去に戦争したこともあります。漢民族が住むエリアとインドの間にあるチベット自治区を緩衝地帯にすることで、インドとの関係を緩和させる狙いがあります。さらにチベット自治区にはインドを標的とした核施設もあるため、この地区を手放すことはありません。
そして、これらの自治区には地下資源が豊富にあるため、中国側としては自分の領地にしておきたいのです。国政を預かる判断としては、当然と言えば当然ですね。
「実は多民族国家」についてこう見る
中国を擁護するわけではないですが、日本が最南端の島である沖ノ鳥島は岩がぽつんとあるだけの場所ですが、そ島と主張しています。それは日本にとって利益があるからです。
多くの努力によって、島と国際的に認められることによって広い排他的経済水域(日本が独占的に漁業ができたり、資源を獲得できる海のエリア)を獲得している、つまり日本の利益があるわけですね。
それと同じように中国が自治区を手放したくないのは国の利益を守るのためで、当然の行為と理解しています。
一個人の意見として言うのであれば、中国は大きすぎるので、ヨーロッパみたいにもっと細分化されたいくつかの国々なら良いのにと思っています。
そうすれば、上海や北京だけの都市が目立つのではなく、それぞれが国として面白い特徴や文化や技術の発展、それとは反対に変で、奇妙なそれぞれの地域の文化がもっと世界に知れ渡るのではないかと思うからです。
“中国”という一国家となっていることで、小さい地域や都市が大きな都市に隠れているような気がしてなりません。それらの魅力が世界に知れ渡っていないし、私自身もよくわかっていません。
今の中国はそれとは反対の方向に進もうとしているので、国の分割化なんてことはほぼ100%あり得ない話でしょうけど。
技術の進化が『ケタ違い』
一昔前までは、中国の製品はパクリ製品や品質が悪いというイメージでした。今でも、Amazonなんかで買い物する時は、一部そういう商品を見かけますが、技術の発展もここ最近伸びてきています。
公衆トイレ
公衆トイレに行くとトイレットペーパー配布専用機が置いています。そこには顔認証システムが搭載されていて、一人60センチまで配布され、同じ人がもう一度取ろうとしても出てこない仕組みとなっています。
これで足りるのかなという印象もありますが、トイレットペーパーが良く盗まれているため、盗難対策として国が導入しているようです。
少し変わったキャッシュレス化が進んでいる
中国は昔から偽札が出回っている国で、ATMからも偽札が出ていて普通に使えることもありました。しかし、今では買い物をするときはスマホで買い物をすることが主流となっています。
タクシーに乗るとき、屋台で食べ物を買うとき、自転車を借りるとき、さらにはホームレスにお金をあげるときですらスマホの日本でもよく見かけるQRコードを使って支払いが行われます。こんな感じです。
でも、キャッシュレスと言えばクレジットカードを思い浮かべるのですが、中国ではクレジットカードはあまり普及せず、QRコードを使用します。
これは日本人と同じ感覚だと思うのですが、クレジットカードの場合は後日の引き落としになることが敬遠されています。QRコードで支払えば即時引き落としです。
ちなみに、中国で外国人がこのQRコードを持つのはかなり難しいようです。というのは、中国に銀行口座がないとそもそもこのシステムを利用できません。単なる外国人観光客であれば現金で支払うのが一般的です。
さらにこのQRコードではなく、顔認証で支払いをするシステムを開発中だそうです。そうすると、顔を見せるだけで手ぶらで買い物が可能になるようですが、安全面はどうなんだろと考えてしまいますね。
政府の狙い
こういった顔認証システムで全ての人の顔を登録されるわけですから、国民を管理することにも使えるので、少し怖さも感じます。
最近だと、音声認識も試験的に始まっていて電話などで声紋で個人を特定するという仕組みを中国政府は作ろうとしています。
顔も声も銀行口座もすべて国が管理できる仕組みができそうですが、14億人を管理するためには必要なのかもしれません。
しかし、これを日本でしたら個人のプライバシーという問題で大バッシングになりそうですね。
アメリカに変わる世界のリーダーへ?
アメリカの大統領がドナルド・トランプになってからと言うもの、アメリカンファーストを掲げているため、アメリカは世界の情勢に関心が薄くなっています。そこで、台頭しようしているのが中国です。
環境問題で世界を引っ張る中国
その一つが黄砂で日本も影響を受けている環境問題です。中国には石炭が大量にとれるので火力発電所がいっぱいあります。しかし、その火力発電所を100件以上も凍結しました。
これまでこの火力発電所に投資してきた金額の約7兆円を無駄にしてでも、石炭を燃やさないという政策をしています。
地球温暖化を食い止めようと、国連に加盟するすべての国と地域が参加するパリ協定。各国がどの程度二酸化炭素排出量を削減するかが決められています。
パリ協定のなかには発展途上国が二酸化炭素を削減するために、先進国が支援する仕組みもあります。アメリカ、トランプ大統領は国内経済の発展が最優先。そのため、パリ協定を離脱すると発表しています。
アメリカが世界の環境対策がやらないなら、その穴埋めを中国が変わりにすることによって、世界のリーダーシップを取ろうとしています。
世界で中国が儲かる仕組み「一帯一路」
昔、中国とヨーロッパを結んだ貿易の道と言えばシルクロードですが、それを現代版にしたものが一帯一路(中国からヨーロッパまでの従来のシルクロード「一帯」と東南アジアからアフリカまでの航路「一路」)と呼ばれています。一帯一路は中国が構想するヨーロッパからアジアを結ぶ経済・外交圏のことです。
鉄道や港などのインフラを整備をすることで、諸国は行き来しやすくなります。そうすると資源が眠っている国も開発さえ進めば資源を売ることができ、資源が欲しい国も買うことができるようになります。
そこに中国は目を付けました。貿易を通して世界をより豊かにする構想を持っていますが、中国が儲かる仕組みだとも言われています。
AIIB(アジアインフラ投資銀行)の設立
中国は発展途上国がインフラ整備をするために、AIIB(アジアインフラ投資銀行)を作りました。そして世界中の国々が資金を出しています。資金を出していない主な国はアメリカと日本。そう、日本はこのAIIBに出資をしていないのです。
世界中から集められた資金は、インフラ整備のために発展途上国へ貸し出されます。
ここで注目したいのはお金の流れです。AIIBは中国主導で設立された銀行なので、「世界中の国々がお金を出す」→「AIIBから発展途上国へ出資する」→「中国企業が工事を請け負う」というのが主な流れです。
ということは、世界中の国々が出したお金が最終的には中国のポケットに入っているとう流れになるのです。
事実上の一党独裁 中国共産党
14億人を管理し、日本をしのぐ勢いの技術開発を進め、世界のリーダーになろうとしてる中国をまとめているのは中国共産党です。約14億人のうち中国共産党に入党している人は約9000万人。先進国の人口並み、いやそれ以上の多さです。
中国では「立法」「司法」「行政」がすべて中国共産党に従います。憲法にも「憲法は中国共産党の指導にしたがう」ことが明記されていて、憲法よりこの一党の方が権力を持っていることになります。
日本をはじめ他の多くの国は権力が偏らないために、三権分立という体制を取っています。法律を作る議会、これが「立法」。法律違反を罰したりする裁判所、これが「司法」。法律にもとづいて動く、これが「行政」。とまあこんな感じです。それぞれの権力がちゃんと機能しているかチェックし合っています。
『事実上の一党独裁』と言われるのは、中国共産党以外にも8つの政党がありますが、これらも「中国共産党の指導に従う」という体制です。
中国共産党が目指すもの
共産党の建前としては『共産主義』を目指す政党です。共産主義とは、みんなが豊かで争いのない世界の実現、そもそも国家がいらなくなるような、まさにユートピアです。そういった理想の世界を作るまでの期間、共産党が人々を指導するという位置づけにより動いています。
今の中国の体制は『社会主義』です。その社会主義は「共産主義の途中」であるというのが建前上の考え方です。共産主義になれば、そもそも政党はいらなくなるので、それまでは全てを共産党が指導しますよということですね。
中国共産党の影響力
学校、会社、テレビ局、役所などの組織の中にはすべて「共産党委員会」というものがあります。それぞれの組織の決定はこの委員会が決定します。
例えば、学校には校長先生が、会社であれば社長がいますが、事実上の権力のトップはこの共産党委員会の「党書記」と言われる人になります。
そのため、共産党の考えが会社や学校など社会の隅々まで影響しています。たった一つの政党が国民の生活を支配している言っても過言ではありません。
どんな人が共産党員になるの?
中国では大学生の頃に共産党員に目指すことが常識だそうです。レポートを書いたり、様々なテストが用意されていて、それに合格すれば共産党員になれるようです。日本でいえば、高校から大学へ進学する感覚に近いものがあります。
ただし、共産党員になったら大変なこともあります。
みんなが嫌がるようなことに率先してやらなければいけません。献血車が来たら一番に行くとか、誰もやりたがらない学校の掃除とかです。なぜなら共産党から「みんなのお手本になりなさい」と教えられるからです。
でもそれ以上に、メリットも大きい。
例えば、ある人が会社で働いていて共産党員の場合、共産党委員会の人が社長に対してその人の役職を上げるよう要求したりします。そのため、同期より早く出世していくことがよくあります。
こういったように、どの組織にいても、出世やエリートや金持ちになりたい人は共産党に入っている方が断然有利なのです。また、明らかに待遇も別格で、共産党員であれば会社組織でも上司より地位が上だという認識です。
優秀な成績の人や、業績が優れた人も共産党にスカウトされるそうです。しかし、断れば・・・組織の中で上にいくことができません。
中国共産党の構成
中国では選挙がないため、共産党の上の組織による引き抜き方式です。エリート集団の中から優秀な人はさらに上にいくことができます。
その頂点に立つのが政治局常務委員会の7人です。この7人が約14億のことを決めていくのです。意見が分かれることがある場合は多数決で決められるため、奇数の7人にしているそうです。
●政治局常務委員:7人
└政治局員:25人
└中央委員:約200人
└党大会:約2300人
└共産党員:約9000万人
└国民(56の民族を含む):約14億人
実力者たちが上に上にいくわけですから、エリート中のエリートです。中国の7人の実力者たちが独裁しているという構成になってます。
まとめ
長くなってしまいましたが、中国の今の状況と中国共産党について記載しました。中国共産党は政治局常務委員7人で運営されているというものの、最近は習近平国家主席一人の独裁になりつつあります。
過去に、毛沢東がトップだった時はあまりに独断的に政治判断がされていたため、7人にトップを据えるという体制をとっていたいるのですが、今はまた一人で政治判断するような体制になり、時代に逆行している感じは否めません。
それってどうなの?と思うこともありますが、正直、誰が中国のトップかどうかは一人の日本人としてはどうでも良いと言えばどうでも良いことです。
しかし、農村戸籍や都市戸籍など、生まれながらにして人生を決めてしまうような国の仕組みには正直腹が立ちます。偉そうなことを言える人間ではないですが、人権が軽んじられていることに苛立ちます。
マルタに英語を勉強しに行った時、最後の1ケ月間は20歳の中国人とルームメイトでした。彼は英語も相当勉強しているようで、優秀な学生です。中国の大学を辞めて、海外の大学を目指しています。その理由は、中国で大学を辞めても将来がないからと言っていました。
今は無事、世界的に有名なIELTSという英語の検定試験に合格し、カナダの大学に通っています。彼はお金を稼ぐ実業家かビジネスマンになりたいそうです。中国の競争社会を一度踏み外すと、彼のように国外へ出る人間も多いだろうと思います。
しかし、それは裕福な家庭環境にだけ言えるので、一般的な家庭や貧しい人が再度、何かにチャレンジできるような社会ではないような気がしてなりません。一方で、中国のトップ層になって考えると「14億人もいるし、変わりはいくらでもいる」という感覚になるのでしょうね。
個人的には中国に行ったときに、みなさんにとても親切にしてもらったので、私は中国の人が好きです。政治的な仕組みや外交のやり方には問題あると思いますが、一人の個人として中国人と接した時には、思いやりのある人も多いという印象を受けます。特に田舎の人は優しい人が多いです。
最後に、今回の記事についてです。中国批判とかそういったものではなく、中国の変わった面を紹介していると思っていただけると嬉しいです。こういう世界もあるんだよと感じてくれるものがあれば幸いです。
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