私は普段、3つの保育園のマネージャー(雇われ)をしています。
新型コロナウイルス感染症(以下、「コロナ」)の影響で緊急事態宣言が出されて以降、お金の面でどのように保育園を運営していくかを常に考えていました。
実際に数字の予測を立てながら、いくつかアクションプランを組んでみて、実行できる段階になったので、経営者さんの参考になればと思い、この記事を書いていきます。
私が運営する保育園について
保育園という形態は非常に複雑なので、説明を省略しますが、私がマネジメントをしている保育園は3つあります。すべて私立の保育園です。
1つめは認可保育園。
コロナの影響によって登園する生徒が減っても国や市からのしっかりとした補助があります。
そのため、特に助成金や給付金を使わなくてもまったく問題なく運営できます。
2つめは企業主導型保育園。
比較的新しい制度のもとにある保育園で、市としては位置づけは認可外保育園ですが、国(内閣府)の認定を受けている保育園です。
認可保育園と比べて自由度が高い分、補助金が少なく、制度がしっかりしていないため情報が錯そうしていることがよくあります。
そのため、このコロナの影響もあるので助成金や給付金を使って対応する必要があります。
3つ目は認可外保育園。
市への届け出や運営許可はもちろん貰っています。
自由度が高いので、最低限のルールを守っていれば料金設定など自分たちで決められることが多いです。
しかし、国や市からの補助金はほぼ入ってこないので、経営努力が最も必要な保育園です。
そのため、経営的には今回のコロナ対策として最も力をいれなければいけません。3つの保育園のなかで、会計的には普通の中小企業に最も近い形態です。
ということで、私がコロナ対策を考えなくてはいけないのが、2つ目の企業主導型保育園と3つ目の認可外保育園です。
検討してきた中で使える助成金や給付金について、紹介していきたいと思います。
使える助成金・給付金3つ
コロナによって失われた損失を補填をするために、色んな助成金や給付金などが国から出る予定です。
今のところ、どの会社も公平に使えそうな助成金や給付金などは3つです。
- 持続化給付金
- 小学校休業等対応助成金
- 雇用調整助成金
ここで挙げた給付金や助成金の対象は法人もしくは個人事業主です。
個人向けには10万円を一律全員にばらまかれている「特別定額給付金」などがあります。
ここでは事業主が使えそうな助成金と給付金をピックアップしています。
もちろん、この他にも業種によっては使えそうなものや、個人でフリーランスをしている人を対象としたようなものもあります。
お金関係でいえば、厚生労働省や経済産業省が積極的にコロナ対策をしているという印象を受けますね。
これらの支援対策は「Yahoo!くらし」がまとめてくれていて分かりやすいです。
持続化給付金
概要としては、次のとおりです。
売上が前年同月比で50%以上減少している事業者(法人・個人)が対象となります。
給付額は法人の場合は最大200万円、個人事業主の場合は最大100万円です。
ただし、10憶円以上の企業は対象となっていません。
申請の受付期間は2020年5月1日~2021年1月15日となっていて、2週間程度で給付金が受けられます。
とまあ、こんな感じです。
詳細については、専用のホームページがあるのでそちらを確認してください。
私たちの会社では、認可外保育園でこの持続化給付金を申請する予定です。
ポイントとしては、前年同月比で50%以上減少していること。
私たちの会社では4月に登園していない園児の保育料をいくらか返金することで前年比50%以下にします。
そうすることで、通常と同じくらいの運転資金で保育園を運営することができました。
保護者としてもこの時期にお金が返ってくるのは、ありがたいはずです。
小学校休業等対応助成金
小学生以下の子どもがいる従業員に関してはこの助成金が一番使えると思っています。
従業員が有給とは別に休みを取っても、有給と同様に賃金支払えば助成金を出すよという制度です。
時間単位での有給も該当します。
対象となるのは事業主(法人も個人事業主も対象)。
コロナの影響で小学校等の休学のため、子どもの世話を行うことが必要な労働者に対して有給休暇を取得させた事業主です。
簡単にいうと、
従業員に「子どもの面倒を見るために、休んでいいですか?」と言われた場合に使える助成金です。
事業主から従業員に「あなたは子どもいるから休んでちょうだい」ということではないのでご注意ください。
この小学校休業等助成金は使うべき優先順位が最も高いと考えています。
休暇中に支払った賃金相当額の10/10(日額上限8,330円)を助成してもらえるところ。
つまり、8,330円までなら100%の賃金が対象になるということです。
期間は2020年2月27日から6月30日までです(期間は伸びる可能性もあります)。
申請期限は2020年9月30日までとなっています。
雇用調整助成金
これも細かいルールはいっぱいありますが、小学校休業等対応助成金に近い内容です。
雇用調整助成金はもともとあったのですが、コロナ対策のため特例が出されました。
これも従業員が休んだ分の賃金を支払ったら、事業者にお金渡しますという制度です。
「お金あげるから雇用をしっかり守ってね」という国の意図があります。
対象者は雇用保険の被保険者も対象でしたが、そうでない人も対象となりました。
要するにパートやアルバイトも対象となります。
コロナの影響を受ける(1ヶ月の売上が5%以上低下している)全事業主がこの助成金を受けれます。
なので、今回のコロナ対策で最も幅広く使われている制度ではないかと思います。
小学校休業等対応助成金との違いは助成率が9/10(上限8,330円)なこと。
つまり、従業員への給料を支払ったら90%は国が出しますが、8,330円が上限ですよということ。
ただし、新たな特例によって94%の助成率になるところがほとんどになるだろうと思います。
場合によっては100%出る企業も出てくるでしょう。
先ほどの小学校休業等対応助成金も同じですが、コロナによる影響がなかった場合と同じように従業員へ給料を支払うことが必要です。
注意点
経営側と従業員側の意思疎通
一部の保育園では、従業員に無理やり有給休暇を取らせているようです。
従業員側としては休みをどうとるか、経営者側としては従業員に休みをどうとってもらうか。
この2つの線引きは難しく、時にはトラブルになる可能性も秘めています。
給付金や助成金のことを正しく説明していないと従業員側は誤った認識になる可能性があります。
「会社が私の有給を勝手に使った・・・」と従業員は思うかもしれません。
大事なのは経営側と従業員のコミュニケーションだと思います。
どのような経営的背景で助成金や給付金を使うか、
従業員のメリットは何か、
お客さん(私たちの場合は保護者)にどう説明していくか、
こういった話を可能な限り経営側と従業員で詰めておくことが大事だと思います。
どんどん内容は変わる
今は2020年5月1日時点の情報をお伝えしています。
しかしながら、助成金や給付金の内容は状況が変化するごとに細かく変わっています。
なので、実際にコロナ対策の助成金や給付金を使う時は、内容をよく確認するようにしてください。
3月~5月の変化の様子を見ていると、緩和・簡素化・拡大という変化です。
つまり、事業者にとって有利に変わっているように思います。
ただ、状況がさらに悪化した場合はどうなるかは予測不可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
コロナ対策で実際に使おうとしている助成金や給付金をまとめてみました。
私はテレワークを行うための助成金も活用も検討していました。
ただ、補助率は50%で最大100万円までとそれほど大きくはないこと。
そして、パソコンの購入が対象とならなかったので諦めました。
がしかし、今はシンクライアント端末であればパソコンも対象となるようです。
シンクライアント端末とはなんぞや?という疑問もありますが。。。笑
使えそうな助成金や給付金を国も色々と用意してくれています。
申請の複雑さはあるりますが、経営に関わる方はひ検討して実際に使ってみてください。
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