10代の頃からバックパックをずっとしたいという憧れを持っていました。バックパックの定番である東南アジアはタイへ旅行に行ったことがあるくらいで、この地を長期的にバックパックをしたことはありません。では、なぜ東南アジアではなく東欧をバックパックの地に選択したか、お伝えしようと思います。
そもそも東ヨーロッパ(東欧)ってどこ?
東ヨーロッパ(東欧)と一言でいっても、意外とどの国が東欧を指すのかは不明瞭ですね。時代や日本の外務省が管轄の仕方によって変わるようですが、基本的には旧ソビエト連邦のように社会主義を目指した国々を指すことが多いようです。これらの国々は、もっと細分化され、北ヨーロッパ(北欧)に含まれたり、中央ヨーロッパ(中欧)に分けられる場合もあります。
私が言いたいのは、ヨーロッパを地図上で西と東、2つに分けた場合、東側の国々のことを言っています。もう少し具体的に言えば、ドイツ、スイス、イタリアより東のヨーロッパの国々、かつ、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドより南のヨーロッパの国々のことです。
具体的な国名をあげると、
ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、チェコ、スロバキア、オーストリア、ハンガリー、スロベニア、ルーマニア、モルドバ、ブルガリア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、セルビア、モンテネグロ、コソボ、マケドニア、アルバニア、ギリシャ、ジョージア、アゼルバイジャン、アルメニア、ギリシャ、キプロスという感じでしょうか。
エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国に関しては、北欧にカテゴライズしてここから省いても良いかもしれません。
費用が安い
ヨーロッパというと物価が高いイメージがあると思いますが、東欧は比較的安くて旅をすることができます。もちろん、国によっても異なりますが、バックパックで出会ったオーストラリア人のお姉さんは「一般的には通貨がユーロの国は物価が高く、通貨がユーロじゃない国は物価が安い」と言っていました。
もちろん、これら東欧の中にも通貨がユーロとそうじゃない国があります。
●東ヨーロッパでユーロを通貨として使用している主な国
└エストニア、ラトビア、リトアニア、オーストリア、ギリシャ、キプロス、スロバキア、スロベニア
宿泊
ゲストハウスやホステルの宿代ですが一泊1,000~1,500円くらいです。しかも、ボロボロとか汚いという感じのところではなく、普通か綺麗な宿泊先が多い印象です。ちょっと奮発して一泊3,000~4,000円くらいのところであれば、広い一人部屋で宿泊することができます。
ゲストハウスやホステルの見つけ方は直接行って探し回るということはせず、ネットで予約をしている人がほとんどです。有名どころだと、Booking.comやAirbnbなどを使う人も多いと思いますが、Hostel.comが安くて良い宿を探すには一番便利だと思います。
移動はバスで
あと、バックパックの場合、移動のことを考えなければいけません。
ヨーロッパ西側諸国(イタリア、スペイン、フランス、ドイツなど)を中心に1週間くらいの短期のであれば、電車移動という方法もあります。その際、ユーレイルパスを購入する方も多いと思いますが、個人的には使い勝手は良いものの少々高いと思っています。
バックパックとなると、バスが主な交通手段となりますが、国際バスについては日本とは比べ物にならないくらい安くて乗車することができます。
エストニアの首都タリンからラトビアの首都リガまでは約300km(東京~名古屋くらいの距離)あります。「LUX Express」というバスを利用して、28ユーロ(3,780円 ※1€=135円)で行きました。しかも、この席はラウンジ席といって新幹線でいうところのグリーン車みたいなもので通常の席よりは料金が高い席の金額です。
ちなみに、リガからリトアニアの首都タリンまでは同じく「LUX Express」で16ユーロのバスチケットを購入しました。それでも、十分に快適な車内です。
通常の席にも、ラウンジ席にも飛行機の国際線のようなモニターが席の目の前に用意されています。言語が英語、ロシア語、ラトビア語などの言語に限られているため、映画や音楽、ゲームなどのコンテンツも用意されていますが、日本人が使うことはあまりないかもしれません。
そして、バス内はWifi環境が整っているため、スマホやノートパソコンを使用することができます。USBコンセントもモニターの下についているため、充電をすることも可能です。
コーヒーなどもセルフで飲むことができるサービスもありますが、何よりありがたいのが、バス車内にトイレがあることです。4~5時間程度の移動となるとかなり重宝します。
(写真:「LUX Express」のラウンジ席とトイレ)
外食はそこまで安くないが自炊だと安い
レストランに関しては、安いと感じるほどではありません。もちろん、レストランにもよりますが、たいていの国で平均して「ビール+食事」で1,000円くらいな感じです。
しかし、ゲストハウスで自炊をするとかなり費用を抑えることができます。ポーランドでは500gのパスタ、350gのパスタソース、2Lの水、パン3つ、これだけ購入して11PLN(約330円)。日本で購入すると最低1,000円くらいはしそうですが、かなり安かったです。
あと、地元民が通うバーに行くと、安くてお酒が飲むことができます。ラトビアで宿泊先の近くのバーに行くと、地元民しかいませんでした。そういうところで飲むと、ビールが一杯1.8ユーロ(約250円)と安めでお酒を楽しめます。
ちなみに、ラトビアの観光地、旧市街でビールを一杯飲むと3~4ユーロ(約400~530円)くらいです。
英語が通じやすい
東ヨーロッパの人たち、特に若い世代の人たちは英語を話せる人が多いです。現地の人たちの話によるとソ連崩壊(1991年)より前の時代に学生時代を過ごした世代はロシア語を学んでいたようですが、それ以降に育った人たちは英語を学び話せる人が多いそうです。
ポーランドにAirbnbで予約した宿泊先では、ホストにレストランで英語がまったく使えない人がいたという話しをしました。そうすると彼女が言うには、英語を話せない人は勉強が相当できない部類に分類されているようです。日本では英語が話せる人はすごいと思われることが多いですが、東欧の若い世代では話せて当たり前という感覚なようです。
ホテルやホステルでは英語が通じなかったことは一度もありませんが、観光地以外でコンビニみたいなところやスーパーで買い物をするとき、地元のおばちゃんが対応してくれる場合は英語が通じないことが多いです。
もし、英語が通じない場合はその現地の言葉で「ありがとう」と「こんにちは」くらいは言えるようにしておいた方が良いでしょう。地元のスーパーでそれを伝えると笑顔で答えてくて、現地の人とちょっとしたコミュニケーションが取れます。
建物が魅力的
ヨーロッパの国には旧市街やお城といった観光名所ももちろんあります。建築の知識がなくても、日本ではみることのできない美しい街並みを見て感動することがよくあります。
基本的に日本の街はコンパクトにまとめられていますが、ヨーロッパの公園や広場、市街にある建物はビルも日本より大きく、道幅も広く、歴史的な価値がありそうな建物が多くあります。
日本の街は新しいものに価値を置く傾向があり、都会に行けば行くほど、新しいビルが目立ちます。東欧の場合は新しいビルと古い建物が交じり合った都市が印象的で、街を歩いているだけでも結構楽しめます。
個人的に、昔からテレビゲームのドラゴンクエスト、ロマンシングサガなど、ヨーロッパ的な世界観を持ったRPGゲームが好きだったので、こういったヨーロッパの街中を歩くと、ゲームの世界をリアルに感じることができる気します。
(写真:ラトビアの首都リガの街並み)
(ポーランドの首都、ワルシャワの街並み)
最後に
6月をメインに東ヨーロッパをバックパックしていますが、少し後悔したのが、花粉症の真っただ中だということです。私はひどい花粉症を持っているのですが、4月、5月は日本で花粉症が出て、ヨーロッパにいる6月にも花粉症を発症させています。
日本よりもひどくはありませんが、くしゃみが止まらなくなることがしばしばあるので、7月か8月くらいに来ても良かったかなと思ったりもしています。
時期的な話をすると、冬にはこちらに来たことはありませんが、冬の東欧は寒いのでそれなりの準備が必要です。さらに、北の国に行けば行くほど、冬の時期は日照時間がとても短いので、少し鬱気味な人が増えるそうです。ラトビアとエストニアに留学している日本人の方にも会いましたが、二人とも同じことを言っていましたので、間違いないでしょう。
なので、個人的に東欧をバックパックをするのであれば、荷物が少なく済み、日照時間も長い、夏がベストだと思います。
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