世界の一人当たりのGDPランキングー日本人はさほど金持ちではないー

世界の一人当たりのGDPランキングー日本人はさほど金持ちではないー

海外旅行をする時の友達との会話やテレビを見ていると「日本人はお金持ち」という話をよく聞きます。

その代表例としては「日本人はお金持ちだから、海外旅行をする時にカモにされやすい」という話です。

もうこれは、化石化するくらい昔の話なのに、今でもこの意識が少なからず日本人にあるように思います。

 

個人的にこういう話を聞くと「日本のお金持ちって他の国と比較してどうなんだろう?」ということをよく考えます。

なので、今回は自分の心の声に耳を傾けて、日本人が本当に金持ちか調べてみました。

 

そこで参考にしたいのが『一人当たりの名目GDP』というものです。

簡単に言ってしまえば、国民一人当たりの儲けた金額です。

 

GDPを簡単に説明すると、GDPは「Gross Domestic Product」の略です。

「国内総生産」という言葉で、よくテレビや新聞のニュースで見聞きすることがあると思います。

国内で一定期間に生産されたモノやサービスの付加価値の合計金額のことを指します。

 

それを国民一人当たりにして算出したものが『一人当たりの名目GDP』です。

つまり、国民一人当たりの儲けた金額を参考にして、日本人がどれだけ金持ちか見ていきます。

世界の一人当たりのGDP

世界の一人当たりの名目GDPランキング

IMF(国際通貨基金)が公開している2018年のデータを記載してみました。

順位国名USドル
ルクセンブルク115,536
スイス83,162
マカオ81,728
ノルウェー81,550
アイルランド78,335
アイスランド74,515
カタール70,379
シンガポール64,579
アメリカ62,869
10デンマーク60,897
11オーストラリア56,420
12スウェーデン54,356
13オランダ53,228
14オーストリア51,344
15フィンランド49,738
16サンマリノ48,948
17香港48,451
18ドイツ47,662
19ベルギー46,696
20カナダ46,290
21フランス42,953
22イギリス42,580
23イスラエル41,728
24ニュージーランド41,205
25アラブ首長国連邦39,709
26日本39,304
27イタリア34,321
28韓国33,320
29バハマ32,997
30プエルトリコ31,603
31クウェート30,969
32スペイン30,733
33ブルネイ30,668
34マルタ30,608
35キプロス28,341
36スロベニア26,146
37バーレーン25,483
38アルバ25,366
39台湾25,008
40サウジアラビア23,539

※出典:IMF(International Monetary Fund)

ここに注目してみました

一人当たりの名目GDPはUSドルを基準として算出されます。

その国の通貨価値によって変動があるのですが、一つの参考基準になります。

では、一人当たりの名目GDPランキングを見てみて、注目した点を書いてきます。

日本人はさほど金持ちではない

日本は2018年のGDP(国内総生産)では日本は、アメリアと中国に次ぐ第3位の経済力があります。

しかし、一人当たりのGDP見て見ると、26位とそれほど高くはありません。

国の人口構成(老若男女の比率)などもランキングに影響がありますが、私の見解は「日本人はさほど金持ちでない」という結論に至りました。

アメリカを除く、上位10ヵ国に関しては人口が少ない国となっています。

これらの国は金融やIT、観光など、何かしらの産業に特化して国民一人あたりのGDPを大きくすることに成功した国です。

確かに、スイスは昔から物価も高いが、給料も高いということをよく聞きます。

マクドナルドの一番安いセットでも1,000円くらいはするそうです。

そう考えると日本人よりお金を持っている国なんていくらでもあるんだなと考えさせられます。

人口の少ない国はリスクも大きい

上位に入っている国や地域に関しては、人口の少ない国も多いと先ほど述べました。

これらの国は限られた産業で力を儲けを増やしていますが、その産業がダメになれば一気に経済が衰退します。

さらに国の基準で言えば、人口の少ない国は国としての経済力が決して高いとは言えません。

例えば、一人当たりのGDP第1位のルクセンブルクはGDPで見ると72位です。

ルクセンブルクの1番の強みと言えば、金融です。

経済的には小さい国であるため、革新的な金融サービスを提供し続けていく必要があります。

逆に言えば、それができなけれ経済は一気に衰退してしまいます。

中国は71位

世界のGDP(国内総生産)ランキングでは中国は2位なのですが、一人当たりの平均を見ると71位となります。

一人当たりのGDPは「国の生産力÷人口」という構図でもあります。

なので、中国では貧富の差が大きいのではないかと推測できるわけです。

これは何も中国に限った話ではありません。

「GDP」と「一人当たりのGDP」の順位に乖離さがあるほど、その国の貧富の差が大きくなっているんだろうなと考えることができます。

まとめ

日本は世界で3番目にGDPが多い国なので、国としてはお金持ちの国です。

ただ、一人ひとりを見ていくとそれほどお金持ちではないということ。

冒頭で記載したように「日本人は金持ちだ」という時代は終わっています。

このイメージが残っているのは1988年、バブル絶頂の時期のイメージが未だに残っているからです。

 

1988年当時、一人当たりのGDPは世界で第2位でした。

人口が1億人以上もいながら個人個人もお金持ち。世界的に見ても憧れだったと思います。

その後、バブルが崩壊し、色んな国が頑張ってお金を稼ぐようになり、一人当たりのGDPに関しては26位というところまで落ちました。

私はこの順位がもっと落ちていくと見ています。

なぜなら、労働人口減少という問題を抱えるため、「人口は多いけど働き手が少ない」という現象が加速するからです。

高齢化社会がそのまま国の経済力にも影響があると見ています。

まあ、対策を打つとなると政治の話になるので、これ以上はしませんが、一人ひとりが活躍できる社会を実現することが求められるんだろうと感じています。

 

さて、話は変わりますが、一人当たりのGDPやそれに関連する記事を読んでいくとあることに気が付きました。

人口が多ければ多いほど、経済力が強い、もしくは強くなるポテンシャルを持っているということです。

もし投資をするのであれば、GDPの順位は高くないが若い人口の多い国に投資をすべきです。

ファクトフルネス(FACTFULNESS)という本は有名なので、ご存知の方も多いと思います。

この本では現在の世界75憶人が120憶人まで伸びると各研究者が言っていると書かれてあります。

なので、120憶になるまではほぼ確実に世界経済が伸びていくのだと確信しています。