日本と共通点の多いハンガリー。ソロバンが有名なり、日本企業も活躍している。

日本と共通点の多いハンガリー。ソロバンが有名なり、日本企業も活躍している。

ハンガリーは東ヨーロッパに位置する人口約1000万人の国で、ワインの生産でも有名です。日本ではそこまで知られた国ではありませんが、とても親日な国です。日本は人気であるため大学でも日本学科が多く、日本語を学んでいる生徒も多い。

そんな親日国ハンガリーでは小学校の算数の時間ではソロバンが使われています。また、日本の自動車スズキが多く走っている国でもあります。それらを日本の共通点とともに紹介します。

ハンガリーの街並み

ハンガリーと日本の共通点

温泉文化

ハンガリーと日本の共通点と言えば、やはり温泉文化でしょうか。首都ブタペストを中心に約1300か所に源泉がある温泉大国で、子供の頃から温泉を楽しむ文化があります。

今から2000年前のローマ時代にローマ人が温泉を作ったことが始まりと言われています。また、温泉は医療目的にも利用されてきたので、現在でも各温泉には病院が併設されています。

ハンガリーで最も有名な温泉はセーチェニ温泉ですね。一度に2000人以上が入浴できる温泉施設です。温泉に入りながらチェスをするなんていう光景も見ることができます。しかし、日本のように裸で入ることはなく、ロッカーで水着に着替えて温泉に入ります。

ハンガリー-セーチェニ温泉

 

セーチェニ温泉には混浴ですが、何百年も前から続いている温泉は女湯と男湯に分かれていて、女性は首からエプロンのようなものを着て温泉に入るそうです。まるで裸にエプロンですね。

言語のルーツがアジア

名前ですが例えば「Suzuki Ichiro」であればハンガリーでも名前の並びが同じで、ファミリーネームが先に来ます。「Ichiro Suzuki」とは表記しません。

これには理由があります。1933年に日本の学者が「ツラン民族分布地図」というものを出版しました。これは世界の民族を言語学の観点から分析したものです。

この分布地図によると、日本人とハンガリー人はルーツが同じで現在の中央アジアから日本人は日本へ、ハンガリー人はハンガリーへ行ったと分析されています。

今では、見た目は完全にヨーロッパ人ですが、ハンガリーはヨーロッパの中でも珍しく、歴史的にはアジアにルーツのある国なのです。

ソロバン広めたヴァイダさん

ハンガリーの多くの小学校では、算数の時間にソロバンを使っています。それを広めたのは日本のテレビ番組でも取り上げられたこともあるヴァイダさんです。

私も何年か前に「世界!ニッポン行きたい人応援団」(テレビ東京系)にこの人が出ていたのを見たことがあります。

もともと技術の先生をしていたヴァイダさんは、ソロバンを作る機械さえも自分で手作りしています。自宅横の工房には子供が昔使っていたローラーブレードをソロバンを作る機械に組み入れるなど、なんでも器用に作っています。

ソロバンを作るようになったきっかけは奥さんだったそうです。

奥さんは元々小学校で算数を教えている先生でした。ある日テレビ番組で日本のソロバン特集が放送されていて、おもちゃ感覚で楽しんで計算できるだろうと考え、ヴァイダさんに作成を依頼したそうです。

作り方が分からなかったのですが、見よう見まねで子供たちの分も作りました。奥さんが学校の授業で使ったら生徒からの反応が良く、成績も上がったようです。

これに気をよくしたヴァイダさんはソロバンの普及活動を開始しました。

ほかの学校からの反応もよく、今ではハンガリー国内の約1500校でヴァイダさんが作ったソロバンが使われています。ハンガリー国内の小学校は約3000校ですから、約半分の小学校がソロバンを使っているとは凄いですね。

SUZUKIの自動車がハンガリーで大人気

1989年までハンガリーはソ連の支配下にありました。そのため、ハンガリーではソ連製の質の悪い車しかなく、購入してから届くまで最長で2年もかかるなど自動車事情は当時、かなり悪かったのです。国産車もなく、高品質の自動車を外国から購入するには値段が高すぎて手が出せません。

ソ連崩壊後、いち早く目を付けたのが日本企業のスズキです。1990年代の当時から値段を安くするためにハンガリー国内に工場を作りました。当時、欧州の車は200万円を超える価格でしたが、ハンガリーで生産されたスズキ車は100万円代と低価格で販売します。

そうすることで、ハンガリーの経済へ貢献し、雇用を生み出すことに成功しました。今では安く品質の良いスズキの自動車はハンガリーで「国民車」と言われています。

まとめ

ハンガリーに進出している日本の企業は約150社。意外にも日系企業が多く進出しています。それはハンガリーの国民性が教育水準が高く、勤勉だということが日本の企業と会っていたのではないかと考えています。

この記事を書くために色々と調べていたのですが、ルーツも気質も似ているハンガリー人ってなんだか少し身近に感じるようになり、私の中で、一度は訪れてみたい国の一つになりました。